初恋シグナル~再会は恋の合図~
「ていうか話って」
「待てよ!!」
何、そう言いかけた私の言葉を遮った背後からの大きな声に、私たちは反射的に振り返った。
「……佐竹くん?」
そこに立っていたのは怒ったように眉間にしわを寄せた佐竹くんで。
立ち止まった私たちに、ずんずん近づいてくる。
「真二」
限界まで近づいてきた佐竹くんは、いきなり辻村くんの胸ぐらをつかみ上げた。
「……」
睨むように辻村くんを見る佐竹くんと、そんな佐竹くんの行動にも動じることなくその強い視線を見つめ返す辻村くんを、私はただ呆然と見ていることしかできなかった。
「……こんな試合、俺は認めない。
うちの方が強い。今日は運がなかっただけだ。
……一度俺を抜けたからって、いい気にならないことだね。
ただのマグレなんだから」
「……別に、いい気になんてなってねーよ」
ぼそっと言い返した辻村くんに、佐竹くんは嘲るように笑った。