初恋シグナル~再会は恋の合図~
ねぇ。
ねぇ。
今の、なに……?
「……馬鹿」
どうしてそんなふうに私に触れるの。
勘違いしそうになる。
きみの鼓動が、私と同じくらい早かったんじゃないか、なんて。
私と同じくらいドキドキしたんじゃないかって。
「……そんなわけないのに」
ひとりぽつんと取り残された私は、しばらく立ちつくしたまま、歩き出せないでいた。
彩織さんと話すように薦めたのは私なのに、もう後悔してる。
不安で不安で仕方ない。
私って、なんて勝手で、なんて、弱いヤツなんだろう────。