初恋シグナル~再会は恋の合図~
「わ、私たち付き合ってないよ!?」
ただ部活が一緒だからちょっと仲いいだけで…!
ていうか、私が勝手に好きなだけで……。
思わず考えてしまったその事実に、ツキンと胸が痛んだ。
……そうだよ。
辻村くんには私なんかよりずっと大事な人がいるんだから──。
藤桜戦の後、辻村くんが彩織さんとどんな話をしたのか、私は知らない。
あの後も、辻村くんはいつもどおりで。
……いつもどおりすぎて、訊けなかった。
ちゃんと話はできたのか、ふたりの関係は終わったのか、それとも…、もういちど、はじまったのか……。
「おーい。みーのーりー?」
「……はっ!」
「おー、戻ってきた戻ってきた」
思わず考え込んでしまっていた私は、弥代の可笑しそうに笑う声につられてなんとか笑みを浮かべた。
ダメダメ、ここで暗くなっちゃダメだって!