初恋シグナル~再会は恋の合図~
先生のそんな台詞に、私は思わず視線を教卓に向ける。
辻村?
先生の声で教室に入ってきたのは、すらりと背の高い、男子だった。
私の学校は、男子の制服は標準のどこにでもあるような学ランなんだけど、その
人は紺色のブレザーで、臙脂(えんじ)色のネクタイを締めていた。
黒い短髪に、形のいい眉。
不機嫌そうに結ばれた薄めの唇。
綺麗に通った鼻筋。
はっきりした二重の瞳。
……え、なにこのイケメン。
ていうか、どこかで見たことあるような……?
そんなことを考えていたら、その男子が担任に促されて口を開いた。