初恋シグナル~再会は恋の合図~
「私、最低だった。だけど。
今でも私にとって真二くんも湊ちゃんも大事な人に変わりはないし、だからこそ謝りたいって……、謝らせてって、言ったの」
「……私なら、絶対許せないけど」
小さく呟くと、彩織さんは悲しげに目を伏せ、そうだよね、と言葉を零した。
「そんなきれいごと、辻村くんだから通用したんですよ」
「……うん、分かってる」
そう言って、彩織さんは頷いた。
「……どうしてこの話を私にしてくれたんですか?」
もう約束の30分が近づいていて、早くしなきゃと思いつつも私はどうしても気になってそう訊ねた。
すると、彩織さんはちょっとだけ驚いたような顔をする。
「うん……、そっか」
「はい?」
「美祈ちゃんって、真二くんに聞いてた通りの子なんだね」
「……どういう意味ですか?」