初恋シグナル~再会は恋の合図~
カフェを出ると、急に自分の足が重く感じた。
頭ががんがんと痛み出す。
ああ。
やっぱり、無理するんじゃなかった。
「もしもし……、あ、弥代?ごめん私やっぱり旅館戻るね」
ポケットからケータイを取り出し、私は弥代に電話を掛けた。
『え!?大丈夫!?じゃあ私付き添うよ』
「ううん、大丈夫!そんなの申し訳なさすぎるから、弥代はみんなといて。ちょっとだるいだけだから!」
『でも』
「あ、バス来た!じゃあ切るね!ごめんね、気遣わせて!弥代は私の分も楽しんできてね」
『……何かあったらすぐ電話してね』
心配の滲み出る声色の弥代に、私は電話越しでも温かい気持ちになる。
だけど。
今の私には、そんな優しさが痛かった。