初恋シグナル~再会は恋の合図~



***



「……ん……」



いつの間にか眠っていたらしい。



気が付けば開いたカーテンから差し込む光はなく、視界に映るのは見慣れない暗い部屋。


ゆっくり身体を起こし、枕元に置きっぱなしになっていた鞄からケータイを引きずり出して時間を確認すると、17時を回ったところだった。


暗いせいで、もっと遅い時間かと思った。



上半身だけを起こしたまま、私はゆっくりと部屋を見回した。



皆でいるときはあんなに賑やかで、……さびしいなんてこれっぽっちも思わなかったのに。



知らない土地でひとりぼっちなんだという孤独感が、唐突に私を襲った。



今日は夜9時まで自由行動。


きっと皆、それまでは帰ってこない。


気を遣って早く帰ってくる、なんてことはたぶんない。


私のせいで皆の貴重な時間を奪うのは嫌だ。


そんなことされたら、もう絶交ものだよ。


大事な修学旅行だもん。


誰だってそう思うだろうし、少なくとも弥代は私の気持ちを察してくれてると思う。



……でも。


あと4時間も、ひとりぼっちなの……?


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