初恋シグナル~再会は恋の合図~



グラウンドに出ると、みんなはちょうどアップを終えて本格的に練習を始めようとしているところだった。



そこで一度部長が皆を集める。



「……2年の辻村真二です。よろしくお願いします」




部長に促されて自己紹介をした辻村くんは、ぺこり、と軽く頭を下げた。



じゃあテキトーに見学しといて、という部長の声に頷いて、辻村くんはグラウンドの脇に避けた。



うちのチームは基本的にまじめな人が多い。



練習だって熱心にやってる。


上手いかどうかなんて関係ない。


強豪校じゃなくたって、将来プロになるようなスター選手がいなくたって。




私は一生懸命にサッカーに取り組むみんながいるこのチームが、好きだった。



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