初恋シグナル~再会は恋の合図~


「わかってるって、何を……っ」


「自分が女だってコト」



そう言った瞬間、抱きしめた長谷川の身体がぴくりと揺れたのが分かった。


そんな彼女の反応がどうしようもなく愛しくて、顔が見たくなって。


がっちり抱きしめていた両手のうち、片方の手を解く。


俯く彼女の赤い頬を掌で撫でると、彼女はどうしたらいいのか分からないとでも言いたげに視線を伏せたままぱちぱちと瞬きをした。



「な、にそれ……。わかってるよ、そんなの……」



聞きとるのがやっとというような微かな声で、長谷川は俯いたままそう言う。



「なんで目逸らすんだよ」


「だ、だって」


一度、上目遣いに上げた視線も、彼女はすぐに下に戻してしまう。


……なんだよ。


そんなに、嫌なのかよ。


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