初恋シグナル~再会は恋の合図~
……つーか、こんな分かりやすく行動で表してんのに、こいつには俺の気持ち、伝わってないのか?
それとも、分かっていないフリをしてるのだろうか。
もし後者なら、それは長谷川の気持ちが俺に向いてないってことだよな。
視線を合わせないのも、俺のことそういうふうに見れないっていう意思表示ってこと?
コイツ、昔からはっきりと他人を拒絶することが苦手なヤツだったから、もしかして本当はこの状況も嫌だけど我慢してんのかな。
「……」
マイナス思考に陥った俺は、思わずコツン、と彼女の額に自分の額を合わせ、心の中でため息を吐いた。
しかし、触れた額を離してすぐに、ぐいっと身体を押し返してきた長谷川の口から出たのは。
嫌、ではなくて。
「は、恥ずかしいからやめて!」
「……え」
恥ずかしいから……?
……それだけ?