初恋シグナル~再会は恋の合図~
思わず驚いて彼女を見た。
すると、今度はまっすぐに視線が絡まる。
熱のせいで充血し潤んだ瞳は痛々しい一方で、思わず息を呑むほどに綺麗で。
一度その視線につかまったら、視線だけではなく心も絡め取られてしまったように逃げることができない。
「……どうしたの?」
不思議そうに首を傾げる仕草と共に彼女が言葉を発してくれたことで、なんとか
目を逸らすことができた。
「……いや。悪い、お前熱あるんだよな。早く寝ろ」
腕を解き、身体を離してそう言うと、彼女は戸惑ったようにしていたものの大人しく横になった。
はじめは俺が傍にいることに不満そうにして背を向けていたが、しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてくる。
細い身体が呼吸と共に揺れる。