初恋シグナル~再会は恋の合図~
「……なにしてんだよ……」
あのまま。
もしあのまま、長谷川が目を覚まさなかったら、どうしていた?
すんでのところで止められていたか?
……それだけは無い、と断言できる。
あれほどまでに引き寄せられて、魅了されて、触れることをためらう理由なんかなかった。
少なくとも、あのときは。
「馬鹿は、俺だろ……」
触れずにはいられないほどの衝動を覚えるのは俺の勝手だけど、実際に触れてしまったらそれは長谷川を傷付けることになるかもしれない。
それを忘れちゃダメだ。
……いつまで、我慢できるだろう。
いつまで、ただのチームメイトで、クラスメイトで、いられるだろう。
「……つーか、明日からどんな顔して会えばいいんだよ……」
自業自得だというのに、驚きに溢れたさっきの長谷川の表情を思い出して、大きくため息をついたのだった。