初恋シグナル~再会は恋の合図~
パシュッ、という、サッカーボールがゴールに突き刺さる音。
コーチからの怒声。
励まし合うように掛け合う声。
グラウンドを蹴る靴音。
春らしい太陽の日差しが心地良い。
だけどそれも、時間が進むにつれて鮮やかな赤い夕陽に変わっていって。
練習が進んで、やがて今日最後のメニューは2組に分かれてのミニゲーム。
私はグラウンドの片隅で、辻村くんと一緒に並んで皆の練習を眺めていた。
「……地区予選、2回戦負けだったんだろ?」
それまで無言だった辻村くんが急に言葉を発したことに一瞬驚きながらも、私は頷いた。
「うん……、そうだけど」