初恋シグナル~再会は恋の合図~


練習が始まると、午前の練習を見るだけでも、そのレベルの高さに愕然とさせられた。


県内だけでもこんなに上手い人がたくさんいるのに、これが全国レベルだったらどうなるんだろう、なんて思う。



「何ぼーっとしてんの!」



「瞬くん」



水分補給にピッチを出ていた瞬くんが、にこやかな笑顔と共に話しかけてきた。


12月の寒空のもと、暖かな日差しを連想させる屈託ない笑顔に思わずつられて笑顔が零れた。



「だって、皆上手いんだもん。ここまでとは思ってなかった!」


「あはは、でも辻村ほどじゃないっしょ?」



何言ってんの、と瞬くんはまた笑う。



……そうなんだよね!


こんな中でも存在感を示す辻村くんの上手さにもびっくりした。


それに。


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