初恋シグナル～再会は恋の合図～

佐竹くんはくるりと私に背を向けると、じゃーねー、と手を振り、足を痛めたはずなのにそんなこと微塵も感じさせないような足取りで軽やかに去っていく。


私はその後ろ姿を呆然と見送るしかなかった。




な、名前で呼べとは言ったけど……！


そっちじゃない……！！



いちいち私の神経を逆撫でるようなことするんだから！！




「もー……。え、きゃあっ！？」



心の中で憤慨していたら、唐突に横から腕を掴まれた。


ぐいっと引っ張られて、立ち上がらざるを得なくなる。



びっくりして掴まれた方を見れば、怖い顔をした辻村くんが立っていた。


さっきまでゲームをしていたせいか、息が軽く上がっている。



……ん？さっきまで？