初恋シグナル~再会は恋の合図~
「あ、あれ?試合、いつの間に終わって……」
佐竹くんの話聞いてたせいで全然試合に集中できなかったよ!!
本当最悪だよ、もう!!
「……長谷川」
「へ?」
佐竹くんを脳内で責め立てていたら、急に辻村くんの怖い声が響いた。
「な、何怒ってるの……?」
「怒ってねーよ」
いやいやいや!!
怒ってるじゃん!!
「……湊と何話してたんだよ」
「え?いや、その」
威圧感のある低い声のまま問い詰めるように言うから、やましいことなんかなにもないのに思うように言葉が出ない。
「何仲良くなってんの」
「え、仲良くなんかなってないよ」
私は辻村くんに腕を掴まれたまま、ぶんぶんと首を振った。