初恋シグナル~再会は恋の合図~
「はじめっからそんな弱気でどうすんだよ。……俺なんてなれる確率おまえよりずっと低い夢見てるけど、自信だけは持ってる」
「え……?」
辻村くんの、夢……?
何?と訊くと、辻村くんは躊躇うように視線を泳がせていたけど。
「……プロのチームでサッカーしたいんだよ」
「え……」
プロ……?
「えええっ!?」
あまりの衝撃に素っ頓狂な声を上げていた私に、辻村くんはふいっと顔を背けてしまう。
「だから言いたくなかったんだよ!!
でも、怪我で参加出来なかったけど、中学の時は地域トレセンにも呼ばれてるし、一応、藤桜と一緒に受けたユースチームの試験にも合格はしてたし」
「そ、そうなの!?」
「あのときは部活サッカーの方が楽しいと思ってユースは蹴ったけど、今思えば本気でプロになりたいならそっち行くべきだったなって思う」
「そ、そそそそうだよ、意味わかんないよ」
思った以上に、辻村くんは昔からすごい人だったらしい。
次々飛び出す部活サッカーからかけ離れた言葉に、私はただただ驚くことしかできない。