初恋シグナル~再会は恋の合図~


「……まぁ、確かに来年は全国行くくらいの気持ちでいってもらわないと厳しいけどさ。でも刺激がどうっていうのは、人それぞれだろ」


「え」


「俺はずっと藤桜にいて、たしかに刺激は受けてたかもしんないけど。でも、今日湊に言われた。……藤桜にいたころより馬鹿みたいに上手くなってるけど、どうしたの、って。

……だから多分、そういうの、人それぞれだよ。俺の場合、実際藤桜やめてからの方が気持ちよくサッカー出来るようになったし。
それに」



「……?」



辻村くんはいちど言葉を切って、歩いていた足をとめた。


どうしたんだろう、と振り返ると、まっすぐに強い視線が向けられた。


冬の寒さに似合わない、熱さを纏っているような視線だと思った。






「……それに、俺の場合、頑張ってるお前のためにサッカーしたいって想いが強かったから」





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