初恋シグナル~再会は恋の合図~
「こわーっ」
「真二、お前こんな怖い女のどこがいーの」
「お前に教えるわけねーだろ」
そんな軽口を叩きながらも、3人の背中がピッチの中に吸い込まれてく。
しかし、ふいに真ん中を歩いていた辻村くんだけが振り返って。
「?」
思わず首を傾げたら、タタッと駆け寄ってきた。
「どうしたの?」
「……お前は俺の応援だけしてればいいんだよ」
「え」
佐竹くんに頑張れって言ったの、聞いてたの?
「妬くから、他の奴は見んな?」
「ば、馬鹿!!」
もう、と肩を叩くと、逆にその手を掴まれて。
耳のすぐ横に唇が寄せられて。
「頑張ってくるから、応援よろしく。美祈」
早口でそう言うと、辻村くんは今度こそ自分のポジションに駆けていった。