初恋シグナル~再会は恋の合図~
「わ……っ!」
シュッと低い軌道を描いたボールが辻村くんから佐竹くんの足元に吸い込まれていった。
あんな連携。
本当にお互いを信じてなきゃできない。
あんな、綺麗なパス。
一度、フェイントで相手をかわした佐竹くんの脚から放たれたシュートは。
ザッと心地良い音を立ててゴールネットを揺らした。
今まで見たことないような屈託のない笑顔で、パン、と辻村くんと佐竹くんがハイタッチしていて。
その瞬間、するっと私の頬を涙が滑り落ちた。
言葉より、あのふたりには確かなもの。
お互いの強い思いを、ボールが繋いでくれたんだ。