初恋シグナル~再会は恋の合図~
そして、真二くんはというと。
3年生の大会ではインハイ予選でなんと3位、そして高校最後の大会でも、決勝で惜しくも藤桜に敗れたものの、地区大会準優勝という、今までのうちの学校からは考えられられないような好成績を残すことができて。
それと同時に、夏に行われた地区選抜合宿にも真二くんは選ばれていた。
噂によると、そのメンバー選抜を任されているコーチが、藤桜の監督らしくて。
佐竹くんとのいろいろな確執のせいで藤桜にいたころは試合に出してはくれなかったけど、真二くんの実力はちゃんと分かってくれてたみたい。
おそらくはその地域選抜での活躍が買われたのだろう。
真二くんは、見事、高校卒業と共にプロサッカー選手への道に進んだのだ。
まぁ、なっちゃんに言った通り、まだ2軍で、1軍の公式試合には出たこと無いんだけどね。
私が入った大学と、真二くんの所属するチームの所有する練習場が偶然にも同じ県にあって、私たちは今でもかなりの頻度で会っている。
「でも、今日はどうしたの?ここまで急にくるの珍しいよね」
私の部屋のドアを開けながらそう訊くと、真二くんは曖昧に頷いた。
「?」
どうしたんだろうと思いつつふたりで部屋に入ると、パタン、と背後でドアが閉まった瞬間、ぎゅっと後ろから抱きしめられた。