初恋シグナル~再会は恋の合図~


「おめでとう!!今日はお祝いしなきゃね!!え、どうする、瞬くんとか弥代とか呼んで盛大にやっちゃう!?」


私頑張って料理作るよ!


そう言うと、馬鹿、と強く抱きしめ返された。



「なんでわざわざ瞬たちに邪魔されなきゃなんないんだよ」


「えー?」


「つーか、今日瞬の誕生日だからたぶん断られるぞ」


「えぇ~、そっかぁ。じゃあ朱音ちゃんもダメだね」


いつのまにか付き合ってたんだよね、あのふたり。


きっと今日はふたりでラブラブするんだろう。



「ていうか瞬くんの誕生日とか妬けるー。こんな大事な日と一緒だなんて」


でもあとでおめでとうメール送っとこう、なんて思った。



「……お前、相変わらず素でそういうこと言うよな」


「ん?」



抱き合っていた身体を離して、玄関からやっと部屋に入る。


大学進学を期にひとりぐらしを始めた私の部屋は、うん、まぁまぁ片付いているほうじゃないかな、なんて思う。


勉強道具でテーブルの上はかなりの確率で散乱してるけど。

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