初恋シグナル~再会は恋の合図~
「おーい、美祈ー」
今は現国の自習中。
不意に隣から声が聞こえてハッと我に返り、慌てて声のした方、弥代に顔を向けると、彼女は怪訝そうに私を見ていた。
「どうしたの?ぼーっとして…。何回呼びかけても反応ないからびっくりしちゃった」
「ごめんごめん」
「あのね、次の英語の和訳確認したいんだけど……」
もう自習プリントは終わったらしい弥代。
机に広げられたプリントは空欄なくぎっしり埋められていた。
ちらりと時間を確認すると、残りあと20分弱といったところ。
改めて周りを見回すと、ほとんどの生徒が自習用に渡されたプリントは解き終えて各自自分の勉強に励んでいるようだった。
……やっば。
ぼーっとし過ぎて私まだプリント半分しかやってない……。
「英語?……はい」
「ありがと」