初恋シグナル~再会は恋の合図~
ピーーーッ、と試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
スコアボードは、何度見ても自分たちのチームの負けを表していて。
……涙も出ないくらい、心が空っぽになった。
「じゃあ、これからは瞬、キャプテンとして引っ張っていってくれよ」
そう言ったら、瞬は一瞬驚いたような顔をしたけれど、半ば予想していたのだろう、すぐにいつもどおりの笑顔に戻って。
「ほどほどに頑張ります」
と言った。
その目の縁が赤いことにはだれも触れない。
だって、俺以外の全員が、みんなそうだから。
多かれ少なかれ、皆涙をこぼしていた。
この、敗戦に。