初恋シグナル~再会は恋の合図~
きっと隠れファンはたくさんいるんだろうけど、堂々と辻村くんにアタックするような勇気のある女子はいなかった。
そして、相手と一定の距離を保とうとしているのは、部活でも変わらない。
本当はもっと皆と仲良くしてほしい。
もっと、他愛ないことで笑って。
本気で、ぶつかり合ってほしい。
……でも、サッカーに対しての真剣さが感じられるのと同時に、辻村くんのプレーにはどこか冷めた所があって。
────仲間を信頼してない。
そんなふうに、私には見えたんだ。
「……」
……あああああー。
また私、部活のこと考えてるよ。
部活っていうか、辻村くんのこと?
私は大きく息を吐いて、今度こそ頭を切り替える。
駄目だ駄目だ。
中間テストまで2週間しかないんだし。
しっかりしなきゃ────。