初恋シグナル~再会は恋の合図~
「……いや。悪い。なんでもない」
息を吐いて視線を前に戻す辻村くんの表情は、なんだか苦しそうに見えた。
……だけど、何が彼を苦しめているのかなんて、私には分かるはずもなくて。
「……私ね、辻村くん、普段から、もっと言いたいこと、言っていいと思う。今日はちょっと言い方は悪かったと思うけど…。
うちは、人の意見やアドバイスはちゃんと受け入れられるチームだよ」
私はじめマネージャーも、顧問も。
申し訳ないけど、サッカー経験者ではない。
外部に頼んでいる、週に何度か来て練習を見てくれるコーチがいるくらいで。
辻村くんがアドバイスをしてくれるのは、チームにとって、いいことだと思うんだ。
……それに、なにより。