初恋シグナル~再会は恋の合図~


「無理なもんは、無理。今日は俺もテスト勉強とかでイライラしてたからつい言っちまったけど、これからは思ってても口ださねぇから、安心しろよ」


「そんな」



もっといい方法があるはずだ、そう思って言葉を探したけれど、なにかいい考えが思い浮かぶ前に辻村くんは自転車に跨った。


もう、話は終わった、という意味だろう。



「じゃあ、俺行くわ」


「……っま、待って!」



咄嗟に、ペダルに足を掛けた辻村くんのシャツを掴んだ。


辻村くんは、怪訝そうな顔で、振り返る。



「わ、私が頑張る!!」


気付いたら、そう叫んでいた。



「は?」


「私が、このチームを、辻村くんが本気で皆とサッカーできる場所にしてみせるよ」


「……あほか」


「アホじゃないっ!本気!」



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