初恋シグナル~再会は恋の合図~
そして、放課後。
「……なんでさっきやったとこももう忘れてんだよ」
「だってーーっ!」
テスト前なだけあって、学校の図書室は満席だった。
教室はひとり黙々と勉強、な人が結構残っていて、教えてもらう程度の話し声すら憚らた。
なので。
「いらっしゃいー。長谷川さんのとこの娘さんなんですって?もう、綺麗になって!ゆっくりしていってね」
「あの、お構いなく」
ケーキと紅茶を運んできてくれた、辻村くんのお母さんにぺこりと頭を下げる。
……そう。
なぜか、辻村くんの部屋で勉強を教えてもらうことに。