not ANGEL but BENUS
僕の横に、体育座りで座る女の子………流流流の存在に。


左手に何故か血塗れナイフを持ち、うずくまって震えていた。ぶっちゃけビビれた。マジにビビれた。


「な、何してんの?」


思わず話しかけてしまい、その結果が今のこの状況だ。キチガイパーセンテージ100なこの状況。


僕からショットガンを奪い、撃ちまくりやがったこの女。


いやいやいやいやそんな事より!?


この状況、かなりヤバい。確実に警察じゃない機動隊自衛隊くるよなってえかもう来てんじゃん!?


100m手前の商店街入り口に止まったでっかい黒塗りのバスから、ぼろぼろと人が溢れてきた。うわっやべえ、完全武装じゃん!?全員自動小銃持ってるとか……あり得ねえ。


「お、おい逃げんぞ!?」


彼女に思わず口走ってしまい、あ、ヤバいと気付いた時には既に手を差しのべていた。ヤバい……ヤバいヤバい。チキン人生が終わりかけてる。無難な人生!!嗚呼!?


「ひ、日陰………」


彼女の呟き。
こんな時に、僕はそれに心臓が跳ねた。
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