美味しい飲み物〈Bachelor girl〉
「これ、俺がやるの?」
「そう。やって」
「こんな風に?」
瑛基は伏せたグレープフルーツを右の手のひらで包み込むように持つ。
「そう…」
私は目を細める。
瑛基の長い指がスクイーザーに果実を押し当てる。
柑橘の甘い香りがふわりと漂い、鼻腔をくすぐる。
瑛基の手が黄色い半球を優しくゆっくりと、こねくり回す。
くっくっくって…
ゆっくり、優しく…
ああ…目が離せなくなる…
私のこと、よくこんな風にしてくれたね…