平凡じゃ、だめですか?
夫婦となって5年たつ今も、詠子は誠一のセックスがなかなか好きだった。
付き合っていた頃に一度は飽き、マンネリもしたが、それを一回りしてなんとも無駄のない時間となった。

息子も近くに寝ているので、大きな声を出したり、大げさにアピールしたりはしない。
だけど、互いに知り尽くした指は、一瞬たりとも集中力の邪魔をしなかった。

ベッドに川の字、とは言っても中央に詠子で、両端に誠一と1歳の圭太が挟んで眠る。

圭太が起きている間、中央にしていても、
結局誠一が無理に隣に滑り込んでくるのだ。

誠一は甘い台詞も、いやらしい言葉も何も言わないけど、そっと腰に回す手が、今日の気分を教えてくれる。

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