守護者たちの饗宴 ―エメラルド・ナイト―
Scene1.Memento of the angel
ダーウィン。
オーストラリア大陸北側のティモール海に臨む風光明媚なこの都市に、ベリルは自宅を構えていた。
傭兵という職業柄、この自宅に帰るのは仕事の合間の休暇や次の仕事の準備を行う時である。
先ほどの商談を思い出し、ベリルは金に輝くショートヘアを揺らした。
正直、あまり気の進まない依頼だったが、受けてしまったものは仕方がない。
ベリルに会うためだけに御剣は日本から出向いてきたということだった。
今までに様々な依頼を受けてきたが、大抵の場合仲介役を通すだけで、直接顔を合わせるのは依頼が成立したあとになる。
大きな組織のトップである人物が依頼をする段階で直接出向いて来るというのも珍しい。
尊大な口調ではあったが、最大限の礼を尽くした相手の依頼を無碍に断ることは出来なかった。
それに……。
「ベリル! おかえり!」
ベリルが帰ってきた気配を察知したのか、奥の部屋から銀の長髪を後ろで束ねた少年が姿を現した。
彼の名はダグラス・リンデンローブ。
かつて流浪の天使と謳われた賞金稼ぎの息子であり、現在はベリルが親代わりとなっている。
16歳のダグラスは父やベリルと同じ道を希望し、ベリルに半ば強引に師事しているのだった。
オーストラリア大陸北側のティモール海に臨む風光明媚なこの都市に、ベリルは自宅を構えていた。
傭兵という職業柄、この自宅に帰るのは仕事の合間の休暇や次の仕事の準備を行う時である。
先ほどの商談を思い出し、ベリルは金に輝くショートヘアを揺らした。
正直、あまり気の進まない依頼だったが、受けてしまったものは仕方がない。
ベリルに会うためだけに御剣は日本から出向いてきたということだった。
今までに様々な依頼を受けてきたが、大抵の場合仲介役を通すだけで、直接顔を合わせるのは依頼が成立したあとになる。
大きな組織のトップである人物が依頼をする段階で直接出向いて来るというのも珍しい。
尊大な口調ではあったが、最大限の礼を尽くした相手の依頼を無碍に断ることは出来なかった。
それに……。
「ベリル! おかえり!」
ベリルが帰ってきた気配を察知したのか、奥の部屋から銀の長髪を後ろで束ねた少年が姿を現した。
彼の名はダグラス・リンデンローブ。
かつて流浪の天使と謳われた賞金稼ぎの息子であり、現在はベリルが親代わりとなっている。
16歳のダグラスは父やベリルと同じ道を希望し、ベリルに半ば強引に師事しているのだった。