金閣消失(A探偵団3)

金閣消失

○夜空
   二つ羽根の大型ヘリが急接近し
   瞬く間に金閣を吊り下げる。

   ピーンと張ったワイヤーの中央から
   パラリと大きな垂れ幕がたらされる。

   ヘリコプターからライトが当たる。
   『金閣は確かにいただいた。変面』の字が浮ぶ。
   とその時、池にパッと火が走る。

   出羽、亀山、警官らが驚き見とれている。
出羽「消火栓だ!」
亀山「凍結しています!」
   皆、うろたえる。

   一気に金閣パネルに火がついて
   炎は垂れ幕に燃え移る。

   ヘリが空高く遠ざかっていく。
   強力なワイヤーに吊り下げられて
   金閣が夜空に浮かび上がる。

   皆、呆然と立ち尽くす。
   出羽の叫び声が響き渡る。
出羽「やられたー!」   

○東のビル、夜
   ジープ2台が急発進して去る。

○東のビル、夜
   ジープ2台が急発進して去る。

○茂みの中、夜
   6人が見張っている。
太一「あっ!」
亜紀「しっ!」

○池の中央、夜
   池の灯油がまだ燃えている。
   中央部の跡地に黒い物体が見える。
   出羽、亀山と警官が近寄る。

出羽「なにかあるぞ?」
警官「金庫のようです?」
亀山「金庫?あ、ほんとだ」

   亀山、開けようとする。
出羽「金庫?開くのか?」
亀山「あ、開きました。何か像が入ってます?」

   亀山、そろりと像を出す。
亀山「何か彫ってあります、なになに
 『金閣爺』きんかくじい、だそうです」

   出羽、近寄ってまじまじと見つめる。
出羽「なんやて?金の角の爺さんで、
 きんかくじい、か。くそ!」
< 13 / 15 >

この作品をシェア

pagetop