金閣消失(A探偵団3)

初詣

○晩秋の嵐山

○小雪舞う嵐山

○京都府警本部、正面
   雪が舞っている。

○同、本部長室、内
   窓越しに雪が舞っている。
   山本本部長が立って外を見ている。

本部長「もうすぐ正月か。その後何の音沙汰も無いが、
 変面は必ずやってのけるんだろうなあ」

○京都の正月、八坂神社

○同、平安神宮

○同、清水寺

○同、金閣寺

○金閣寺、参道
   初詣の人波。
   参拝客に混じって出羽と亀山がいる。

出羽「いよいよ正月や」
亀山「雪が積もる日はもうすぐですよね?」

○同、庭園
   出羽と亀山、金閣寺がよく見えている庭園にいる。
   二人、じっと金閣寺を見つめている。

出羽「大丈夫や、消火栓は完璧やし。どうやって
 空から盗りに来るんや?」

亀山「きっとヘリコプターで盗りに来るんですよ」
出羽「それはないやろう?そうなったら軍隊やで」

亀山「ありえますよ。オウム真理教もヘリ持ってました」
出羽「ありえるか?そうなったら府警じゃとても手が回らん」

   金閣寺がひときわ美しく見えている。

○金閣寺、参道
   初詣客で一杯である。
   山本、原田、木村、高田、亜紀、太一が歩いている。

○同、庭園
   金閣寺、借景の山すそに美しく映えている。
   東と西に建築中のビルが見える。
   6人が参拝客に混じって歩いている。

山本「どうもあのビルが気になるな」
原田「そうやろ。俺もそう思う。同じ高さで
 同じようにクレーンが屋上にある」

   木村と高田が加わる。
木村「まるで左右対称」
高田「ほんまやね。規制緩和で高いビルが建て
 られるようになったからやろか?」

   太一と亜紀が加わる。
太一「クレーンをこう向けて輪ゴムを通せば」
亜紀「あそうか。金閣寺が空に舞い上がる」

原田「そんなおもちゃがあったよな昔」
   皆、うなづいている。
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