金閣消失(A探偵団3)

金庫?

出羽「でも心配は要りません。消火栓は完璧です。
 これから本部からの警備も付けますから」
住職「よろしくお願いします」

   亀山、窓の外のビルを見上げている。

亀山「あのビルちょっと目立ちますね?」
住職「規制が緩和されて、あっちもこっちも
 新しいビルが建ってますのや」

亀山「クレーンが異常にでかい気がしますね?」
出羽「ああ、気のせいや。完成してクレーンがなくなったら、
 普通のビルよりちょっと高いくらいや」

   亀山、茶菓子をほう張りながらお茶を飲む。

○建築中のビル、外、夜
   暗闇に浮ぶクレーン。

○同、階段、夜
   懐中電灯を点けて上る山本、原田と太一。

○同、屋上の部屋、夜
   暗闇、誰もいない。
   山本、原田、太一が入ってくる。

   薄明かりの中かなり大きなパネルの影。
   中型の金庫。ワイヤーロープの束がある。

原田「誰もいない?」
山本「結構無防備やナ?」
   太一、金庫に触れている。

太一「あれ、これ何?」
原田「金庫やナ。開くのか?」
   太一、ゆっくりと金庫を開ける。

太一「中身がこれ、なに?」
   驚く太一の顔。

○金庫
   中型の重々しい金庫が開いている。
   3人の灯が中を照らす。

   金色に輝く一角獣のような老人の像
   が灯に浮かび上がる。
   驚くみんなの顔。

太一「何か書いてある」
   原田、覗きこみ照らす。

原田「金閣爺」
山本「きんかくじい?又何かたくらんでるな?」
   3人、まじまじと像を見つめる。

○パネル
   大型パネルの影が見える。
   3人、パネルを照らす。

太一「あ、金閣寺!」
原田「かなり大きな金閣寺の絵だ」
山本「と言う事は、2枚?向こうのビルにも2枚とすると」

   3人、考え込む。
< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop