君に捧ぐ、愛の唄
「取材…取材させてください!お願いしますっ」
ガバッと思い切り頭を下げる。
ポニーテールにしている髪が一瞬大きく跳ねて、私の顔の横でゆらゆらと小さく揺れた。
彼の表情は見えない。
そして
「取材…?」
聞こえたのは、不愉快そうな声。
「は、はいっあの、私新聞部で…」
「悪いけど断る」
キパッと言い放たれた言葉に顔をあげる。
「大体、俺の何を取材するわけ?」
思い切り眉をよせた彼の瞳が、私を映していた。
.