君に捧ぐ、愛の唄



大声で叫んだ私の言葉に彼の足は一瞬ピタリと止まって。


このタイミングを逃さないように、私はさらに言葉を続ける。



「あなたがいいの!
あの歌とか…!?」



他の人ではダメな理由を口にした途端、勢いよく振り向いた彼。瞳が、鋭く光った。




「なんのことだ」



低く低く、怒りが込もったような声。



「あの歌、あなたが…櫻井くんが、歌ってるんでしょう…?」




私の言葉は、彼の怒りに気圧されて、情けないくらいに震えていた。



.
< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop