だぁーッいすき


―玄関前に到着
田中先輩がこっちにくる。
どっかで見たことある。
どこだっけ?
分かんないや。
「体操してた方がいいよ。」
準備体操しなきゃ。
「はい。」
田中先輩が少し笑った。
目は笑ってないけど…。
「まきちゃーん!!」
この声は…
「悠人くーん!」
今のは
まきじゃないよ?
振り向くと
「田中先輩??」
なんで田中先輩??
悠人くん??
「まーき!」
もしかして
まきって名前なのかな??
いや。
違う。
まきって名前は
まきだけ。
「ワケわかんない。」
友達だよね。
きっときっと。

悠人が走ってくる。
怖い…。
怖い。
「まき!?どったの?」
くる。
怖い。
「来ないで!!」
あっ。
まきってホントにバカだね。
悠人。
ごめんね。

涙が流れる。
悠人…。
あったかい。
悠人の心臓の音が
聞こえる。
どんどん速くなる。
「俺はまきから離れない。
安心しろ。」
いつもより
優しく響く。
「田中の親と俺の親が知り合いなんだ。
あいつはなんか思ってても俺はまきだけ。」
すごく心に響くの。
嬉しくて。
やっぱりまきには悠人なんだって感じる。
「俺は戻るから。」
そういって戻って行った。
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