だぁーッいすき
「まき…。」
悠人は…。
何を思った?
「この子には何もするな。」
そんなこといって
聞くような奴らじゃねーだろ?
「それを燃やしたところで
なんにもならないじゃん。」
まきちゃんがポツリといった。
よく考えてみればそうだ。
入部用紙を燃やしたところで何にもならない。
「悠人。まきは大丈夫だから。」
まきちゃんは。
苦しいんだろ?
俺が陸上部になんか
入ろうって
いったからだ。
「そうだった。そうだった。」
そう言うとライターに火をつけた。
「やめろ!」
悠人が田中先輩に殴りかかろうとした。
「やめて!」
まきちゃんが悠人の腕を引っ張った。
「悔しくないのか?」
まきちゃんはそう問われると
にっこり笑ったんだ。
うん。って頷きながら。
「大丈夫だよ。」
そういったんだ。
悠人は泣きそうだった。
本当言うと
俺も空翔も
涙が出そうだったよ。
「お前がやってること分かってんのか?」
悠人はゆっくり田中先輩の方をむいていった。
「うぜーから!!」
そういって紙に火をつけた。
灰になり落ちた紙をみて
まきちゃんはいったんだ。
「田中先輩みたいだね。」
そういったんだ。
みんなびっくりしたよ?
「は?」
田中先輩が1番びっくりしたんじゃないか?
まきちゃんは続けた。
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