だぁーッいすき
なんで?
その言葉でいっぱいだった。
「お前って最低だな。」
空翔の低い声が公園に響く。
「お前に言われたくねーよ。」
智也くんやめてよ…。
「智也はまきのことが好きなんだろ?」
空翔やめて。
まきが傷付く。
いや、それより空翔が…。
「…。悪いのかよ。」
えっ?
それってもしかして
もしかして?
「智也の態度見てたら分かるよ。
だけど今のお前じゃまきを幸せになんかしてやれねー。」
幸せ?
態度?
「空翔よりはましだよ。」
やばい。
ここにいたら泣いちゃうよ。
ここから立ち去らなきゃ。
なんで空翔は
そこまでまきのことを
考えてくれてるの?
なんでなの?
まきは…。
空翔にヒドいことしたのに。
いつの間にか走り出してた。
目からの涙がたえない。
ベットにもぐって
泣いた。
ずっとずっと涙がかれるまで。
なかなかとまらない。
智也くんも帰って来ない。
「もぉ。泣くのはやめよう。」
一人でつぶやいた。
ちょうどその時
「ただいまーっ。」
智也くんが帰ってきた。
あれから何十分の時間がたっていただろう。
「おかえりーっ。」
おもいっきり明るい声で
返した。
智也くんが上がってくる。目がやばい…。
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