明日なき狼達
最終章……終わりなき戦い
戦い
聞き慣れない音がした。
ヒュンッ!
野島は右鎖骨辺りに激痛を感じた。と同時に血が噴水のように吹き上がった。
パシャッという音がしたかと思うと、目の前で野島がゆっくりと倒れた。
「野島さんっ!」
梶が駆け寄ろうとする。
咄嗟に児玉が梶の襟首を掴んで引きずり倒そうとしたが、遅かった。
グシャッ!
今度は飛来音すら耳に入らなかった。
児玉の右手に激痛とともに、夥しい血飛沫と肉片が舞い上がった。
梶の喉を貫通した弾が、更に児玉の右手小指を吹き飛ばしたのだ。
「ライフルだっ!狙撃されてる!建物へっ!」
児玉が叫ぶと、松山達は再び廃墟の病院内へ身を隠した。
何処から狙撃されているのだろうか。建物の周囲は雑木林ばかりで高い建物は無い。
病院の位置自体がやや小高くなっているから、考えられるのは木の上からしか無い。
梶を何とか引きずり、建物の中に運ぼうとするのだが、思うように力が入らない。
松山が助けに来ようとするが、児玉は押し止めた。
梶の喉元はザックリと割れ、口から血をゴボゴボとさせながら吐き出している。顔色がどんどん青くなっている。
「梶さんっ!梶さぁんっ!」
梶が何かを話そうとしている。
手を児玉に差し出して来た。その手を握り返そうとした瞬間、梶の腕が力無く落ちた。
「梶さぁんっ!」
四、五メートル先で倒れている野島が、必死に銃を取り直し、撃って来た方向に向けて乱射している。
児玉は息を引き取った梶を諦め、野島の側へ駆け寄ろうとした。
「児玉さん、俺はいいから中に入ってくれ。」
何も言わず、児玉は野島の身体を担ぎ上げた。七十を越した年齢とは思えない力だ。
ヒュンッ!
再び狙撃銃の飛来音がし、二人の足元に着弾した。
松山と神谷が建物から飛び出して来て、児玉と野島を中へ引き入れた。
「梶さんは?」
松山の言葉に児玉は首を横に振った。
「傷口を見せて下さい」
児玉が野島のジャケットを脱がしてみると、肩口に貫通した跡があった。
防弾ジャケットを貫通する程の威力を持っている狙撃ライフル。瞬時に相手は警察では無いと判った。
郷田か?
ヒュンッ!
野島は右鎖骨辺りに激痛を感じた。と同時に血が噴水のように吹き上がった。
パシャッという音がしたかと思うと、目の前で野島がゆっくりと倒れた。
「野島さんっ!」
梶が駆け寄ろうとする。
咄嗟に児玉が梶の襟首を掴んで引きずり倒そうとしたが、遅かった。
グシャッ!
今度は飛来音すら耳に入らなかった。
児玉の右手に激痛とともに、夥しい血飛沫と肉片が舞い上がった。
梶の喉を貫通した弾が、更に児玉の右手小指を吹き飛ばしたのだ。
「ライフルだっ!狙撃されてる!建物へっ!」
児玉が叫ぶと、松山達は再び廃墟の病院内へ身を隠した。
何処から狙撃されているのだろうか。建物の周囲は雑木林ばかりで高い建物は無い。
病院の位置自体がやや小高くなっているから、考えられるのは木の上からしか無い。
梶を何とか引きずり、建物の中に運ぼうとするのだが、思うように力が入らない。
松山が助けに来ようとするが、児玉は押し止めた。
梶の喉元はザックリと割れ、口から血をゴボゴボとさせながら吐き出している。顔色がどんどん青くなっている。
「梶さんっ!梶さぁんっ!」
梶が何かを話そうとしている。
手を児玉に差し出して来た。その手を握り返そうとした瞬間、梶の腕が力無く落ちた。
「梶さぁんっ!」
四、五メートル先で倒れている野島が、必死に銃を取り直し、撃って来た方向に向けて乱射している。
児玉は息を引き取った梶を諦め、野島の側へ駆け寄ろうとした。
「児玉さん、俺はいいから中に入ってくれ。」
何も言わず、児玉は野島の身体を担ぎ上げた。七十を越した年齢とは思えない力だ。
ヒュンッ!
再び狙撃銃の飛来音がし、二人の足元に着弾した。
松山と神谷が建物から飛び出して来て、児玉と野島を中へ引き入れた。
「梶さんは?」
松山の言葉に児玉は首を横に振った。
「傷口を見せて下さい」
児玉が野島のジャケットを脱がしてみると、肩口に貫通した跡があった。
防弾ジャケットを貫通する程の威力を持っている狙撃ライフル。瞬時に相手は警察では無いと判った。
郷田か?