明日なき狼達
郷田は突入を命じている警備主任を横目に建物の裏側に回った。
路上で酔い潰れた労務者が、郷田の姿を見て腰を抜かす。四つん這いになって這い回るその労務者に向けて、郷田は銃弾を浴びせた。
「グエッ!」
蛙が曳かれたような恰好で、その場に労務者は死んだ。
郷田の目に狂気の色が現れていた。
郷田が労務者を撃ち殺したのと同時に、建物内から銃声が響いた。
郷田の目が吊り上がり、不気味な笑みを浮かべた。ゆっくり、一歩一歩建物の裏側に近付く。
朽ちかけたトタンの塀を引きちぎるようにして壊し、裏庭に入った。締め切った雨戸を蹴破り、内部に入ると、負傷して呻いている者が居た。
「た、助けて、く、くれ……」
郷田は、倒れているその男の額に銃口をピタリとくっつけ、何の躊躇いも見せずに引き金を引いた。鈍い音とともに、男の後頭部が割れ、血と脳みそが吹き飛んだ。
郷田は、男の手から拳銃を取り、二丁の銃を両手にして階段を上った。
頭上での銃声が止み、男達の怒声が聞こえる。
ニット坊を被った三人の男が郷田の姿を見て、向こうに逃げたと窓を指差した。
郷田を味方と思っていた男達が次に見た光景は、到底考えられないものであった。
郷田の両手の拳銃が彼らに向けられたと同時に火を吹き、三人の男の額に小さな血の点が出来た。
驚きで目を見開いたまま、男達の後頭部は柘榴のように破壊され、一瞬にして命を奪われた。
郷田は助走をつけ、窓を跳び越して隣の家の物干し場に身を踊らせた。
下の階で物音がする。
奴らか?
児玉一佐……
待っていて下さい……
建物を跳び移った際に自分で縫った傷が開いた。
血が溢れ出て来た。肌を伝わり、再びジャケットやズボンを濡らして行く。
血を滴らせながら階段を下りると、震えながら逃げようとしている老夫婦が目に入った。
四つん這いになってハイハイをするようにしてその場を逃れようとする老婆に跨がり、郷田は情け容赦無く撃ち殺した。
泣き叫ぶ夫は、壁にへばり付き、両手を合わせ途切れ途切れの念仏を唱えている。
まさに鬼畜の所業だ。
銃弾は、老いた夫を先に天に召された妻の元へと向かわせた。
路上で酔い潰れた労務者が、郷田の姿を見て腰を抜かす。四つん這いになって這い回るその労務者に向けて、郷田は銃弾を浴びせた。
「グエッ!」
蛙が曳かれたような恰好で、その場に労務者は死んだ。
郷田の目に狂気の色が現れていた。
郷田が労務者を撃ち殺したのと同時に、建物内から銃声が響いた。
郷田の目が吊り上がり、不気味な笑みを浮かべた。ゆっくり、一歩一歩建物の裏側に近付く。
朽ちかけたトタンの塀を引きちぎるようにして壊し、裏庭に入った。締め切った雨戸を蹴破り、内部に入ると、負傷して呻いている者が居た。
「た、助けて、く、くれ……」
郷田は、倒れているその男の額に銃口をピタリとくっつけ、何の躊躇いも見せずに引き金を引いた。鈍い音とともに、男の後頭部が割れ、血と脳みそが吹き飛んだ。
郷田は、男の手から拳銃を取り、二丁の銃を両手にして階段を上った。
頭上での銃声が止み、男達の怒声が聞こえる。
ニット坊を被った三人の男が郷田の姿を見て、向こうに逃げたと窓を指差した。
郷田を味方と思っていた男達が次に見た光景は、到底考えられないものであった。
郷田の両手の拳銃が彼らに向けられたと同時に火を吹き、三人の男の額に小さな血の点が出来た。
驚きで目を見開いたまま、男達の後頭部は柘榴のように破壊され、一瞬にして命を奪われた。
郷田は助走をつけ、窓を跳び越して隣の家の物干し場に身を踊らせた。
下の階で物音がする。
奴らか?
児玉一佐……
待っていて下さい……
建物を跳び移った際に自分で縫った傷が開いた。
血が溢れ出て来た。肌を伝わり、再びジャケットやズボンを濡らして行く。
血を滴らせながら階段を下りると、震えながら逃げようとしている老夫婦が目に入った。
四つん這いになってハイハイをするようにしてその場を逃れようとする老婆に跨がり、郷田は情け容赦無く撃ち殺した。
泣き叫ぶ夫は、壁にへばり付き、両手を合わせ途切れ途切れの念仏を唱えている。
まさに鬼畜の所業だ。
銃弾は、老いた夫を先に天に召された妻の元へと向かわせた。