BLOOD§INFECTION
「っ…!!!」
比奈千春、なんでや!
こないだみたいに急に強くなったりはせーへんのか!?
あれは、勘違いやったんか…!
既にボロボロのはずである比奈千春は、それでも痛みを感じていないようなそぶりでゆっくりと立ち上がる
「……対人戦、嫌いなんだよね。
でもこのままだと俺死んじゃいそうだし…、うーん。」
「何ごちゃごちゃしゃべってるんだ!
留めをさしてやるよ!!」
今まで受け身であった道玄は、比奈千春に留めをさすべく刀を構え猛スピードで突っ込む
「……生死、かかってるもんね。」
比奈千春はそんなことを呟いたかと思うと、徐に左の前髪をかきあげた
あらわになる赤い左目
周りがそれを見て息を呑む
うちは見るのは二度目であるが、それでも深いその赤に吸い込まれそうになる
一瞬、道玄は眉をしかめたが、気にせず突っ込んでゆく
「終わりだあああ…!!!!!!!!!」
道玄の刃が、凄まじい速さで横に薙ぎ払われた