BLOOD§INFECTION
一瞬の沈黙
「悪い知らせですか…?」
その沈黙を破ったのは、顔を強張らせた楽だった
「せや…、皆、落ち着いて聞くんやで。」
話すのを躊躇っていた神無さんだったが、楽の言葉につられるように口を開いた
「璃玖先輩がやられた。」
「!!!!!???」
その場にいた全員が息を飲んだ
中にはあまりの衝撃に立ちくらみを起こす者もいた
「は…、璃玖さんが…?
神無さん、冗談でしょ?」
「こんな笑えん冗談言うはずないやろ!
まぁ、正確にはレベル2数体を討伐最中、レベル2と共に姿をくらましたんや。」
「どういうことですか、神無様…!
璃玖様がレベル2相手に負けるなんて…!」
「せやかて、現に今も帰ってきてへんのや!」
そこまで言って神無さんはぐっと堪え、一度深呼吸をすると、冷静に伝える
「一旦、黒塔に戻るで。
黒塔管理者や、この京都地区の上層部との会議があるみたいや。
詳しく分かったら、また皆に伝える。」
そういうと、神無さんは顔を歪めたまま、黒塔に向けて足を進めだした
俺たちも、あまりに衝撃的な出来事に固まった足をなんとか動かして、黒塔へと戻るのだった