視線の先の×××

「ち…違います!!彼氏に勘違いされたくなくて」

ムッと口をとがらせて、うつむいたのに。

「意識してるんだろ?」

テーブルに手を突きながら。
私の顔を覗き込んで、雨に濡れて冷えた手を重ねた。

「そうじゃなくて…」

ほら、こうやっていつもセクハラまがいにイジメる。
だから、かわし方に困るから苦手なのに。

それに…その鋭い視線の瞳にとらえられたら、動くこともできない。

「オレはさ…」

言葉の続きはなくて。

冷えていたはずの唇は、先輩の体温が触れて熱くなって。
驚いて見開いた視線の先には。



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