スターチス〜悪戯な彼〜
ガチャンー−
階段を降りていると、秀一が玄関の取っ手に手をかけている音がしたー−…
ヤバイ…
急がないと行っちゃう…
キュ…
なんとか追い付いたあたしは秀一の手の上に自分の手を重ねた−ー…
「え…」
秀一の背中に顔を埋めると良い香りがした−ー…
あ、秀一の匂いだ…。
なんてしばらく翻弄されていたあたし−ー…
でも、秀一の困惑した様子を目にした瞬間、我に返った…
「待って、行っちゃやだ。」
あたしは、前に回り込み、秀一を見上げた。