スターチス〜悪戯な彼〜
「いったぁ…」
「ほら、じっとしてろって。」
「だって秀一、雑すぎるんだもん。」
「ハイハイ。わかったよ。」
足首を捻挫してしまった…
「ハイ、出来た。」
「ありがと…。」
「もう無理すんじゃねえぞ?」
そう言って秀一が肩をかしてくれたー−ー
やっぱり秀一って優しい♪
「ありが…」
そう思って、あたしがその肩に掴まろうとした瞬間−ー…
「やっぱやめた…。」
そう口にして肩をそらす秀一…
おかげであたしはまた転ぶところだった−ー…
「あっぶな…だからお前は足首を捻挫なんかしちまうんだよ。」
転ぶ寸前のあたしをつかまえて意地悪に笑う秀一…
「だって…」
「ばぁーか。」
「もうっ…秀一なんかっ」
ギュ…
「オレなんか…なに?」
「うぅ…。」
秀一なんかキライって言おうとしたら、後ろから抱きしめられたー−…
そんな事されたらキライなんて嘘でも言えないじゃんか…。
「あたしが秀一の事、大好きなの知ってるくせに…。」
少しいじけて、秀一に聞こえないように呟いたー−…
なのに、
「あぁ…知ってるよ?」
見上げると、そう言ってはにかむ秀一の姿があった…
「ばぁーか。」
照れや恥ずかしさで言葉に出来なくなったあたしは秀一の真似をしてとびっきりの笑顔で言ってみた…。
「ったく…バカはどっちだっつうの。」
秀一があたしの言葉に呆れながら優しく頭を撫でてくれた…。
「えへへ♪大好きだよ?」
会話が噛み合ってなくてもへーき。
二人で居ればいつだって運命を開く事ができるんだ…。