スターチス〜悪戯な彼〜
「いったぁ…」
「ほら、じっとしてろって。」
あれから家を出た俺を追って、楓がひとり暴走して…
「だって秀一、雑すぎるんだもん。」
「ハイハイ。わかったよ。」
こけた…。
ちなみに、足首を捻挫…
ホントばか。
「ハイ、出来た。」
まあそれだけ俺の事が好きなんだろーけど。
「ありがと…。」
「もう無理すんじゃねえぞ?」
俺は反省の面持ちで少しおとなしくなった楓に肩をかしてやったー−ー
でもー−
「ありが…」
やっぱりー−
スッー−
「やっぱやめた…。」
見事なタイミングで肩をそらした俺…
そのかいあってドジな楓はまたこけるところだった。
「あっぶな…だからお前は足首を捻挫なんかしちまうんだよ。」
そういって、転ぶ寸前の楓をつかまえて思いっきりいやみな笑顔を返した。
「だって…」
「ばぁーか。」
「もうっ…秀一なんかっ」
ギュ…
「オレなんか…なに?」
「うぅ…。」
楓がすぐに俺から逃げようとするからお腹に手を回して動けなくした−…
「あたしが秀一の事、大好きなの知ってるくせに…。」
あらら、いじけちゃった…。
「あぁ…知ってるよ?」
俺は最高の笑顔で言った。
「ばぁーか。」
俺の事を真似てすんげー笑顔で言う楓…。
「ったく…バカはどっちだっつうの。」
半ば呆れながら優しく楓の頭を撫でた…。
ホントは
めちゃくちゃ嬉しいし…
可愛いし…
オレ、どうにかなっちゃいそうっ…//
「えへへ♪大好きだよ?」
イヤイヤ…会話が噛み合ってないんすけど…。
でも、俺だって楓の事大好きだし?
どーでもいーや♪