俺、弟に襲われます!!短編集
「----とにかく!今日は休むこと!いいね?僕がノート取ってきてあげるから」
「わ、わかったよ…」

学校に行こうとしてたってのをリオに伝えたら、何故かお説教が始まった。
そんな状況なのにどうやって行くのだとか、行ったって逆に迷惑だとか。
いや、全部正論なんだけど。

とにもかくにも。可愛いカノジョのお説教も終了し、のそのそ寝間着のままベッドに這い上がる。
すると、うわわわわ、後ろから頭叩かれちまった。全然痛くない。

「まさか、着替えもせずに寝るつもりじゃないよね?」
「…だめ、か?」
「だめか、じゃないでしょっ!やっぱお兄ちゃんバカ!!」

そう言うとすぐに俺の寝間着…ジャージなんだけど、ジャージの上のジッパーを下げ始めた。
……え、下げ始めた?

「って、な、なにしてんだよっ!!」
「なにって着替え。ずっと着てた服のまま寝るだなんて不潔極まりないでしょっ!」

そしてあちらこちら、まぁいろいろされましてスウェットにチェンジ。
あー、スウェット着るとダラダラーってしたくなるんだよなー。
これ、あるあるだと思うんだけど。


着替えさせたリオは俺の部屋の時計を見ると、大慌てで「いってきます!」と言って部屋を飛び出していった。
時計を見ると…なるほど、遅刻ぎりぎり。ごめん、リオ。


…とりあえず、寝るか。










「レオー?大丈夫?」
「ん……なに?」

心地よい眠りから起こされて、若干不機嫌。あ、でもちょっと身体が軽くなった感じがするから±(プラマイ)0かな。
部屋に入ってきたのは母さん。……母さん?
時計に目をやると、丁度お昼時。本来なら母さんは仕事に行ってる時間帯のはず。

「…仕事は?」
「休んだわよ。当たり前じゃなーい!」

え、マジかよ。罪悪感がどどーんと肩に圧し掛かった気がする。
看病される歳でもないし、そんな重度な病気でもないし。いや、もしかして自分では気づいてないだけで本当は入院レベルの病例だったり?

「だってぇ?レオったら(馬鹿だから)全然病気にならないし、風邪にさえならないし。心配してるのよッ」
「おいこら今暴言聞こえたぞ」

俺の額にデコピンしてくる母さんの手を軽く振り払い、再び毛布を被る。
オデコ痛い。うん、痛い。地味に痛いよ母さん。

そんな俺を無理に起こそうとしない母さんはやっぱり優しいとおも……わないでもない。
ビミョーなところです。


「レオー、お昼ご飯は何が食べれそう?」

それが本題か。
急に話を変えた母さんを横目に、俺はとりあえず食べれそうな物を考えてみる。


おかゆとか?いや、俺米がぐちゃーってなってるのダメなんだよな。

だったらうどん?あれ、うどんってなんだっけ。俺が好きなあのなんかトロトローってしたのが乗ってるヤツってなんだっけ。あれ食べたい、きっと吐くけど。…あ、あんかけスパだ。

てか、あん作るときに使う片栗粉って一体なんなの?栗の成分でも入ってんの?

…てか俺、なんでこんな事考えてんだ?
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