セク・コン~重信くんの片想い~
確かに、さっきアオイの兄なる人物に、胸倉を掴まれたときには、かなりびびったが、落ち着いて考えてみると、何か勘違いされているだけのような気がしないでもない。
(俺は単なるアオイの友だちなんだし。第一、あの人”妹”っつった気がしたけど、”弟”の聞き違いかもしれないし)
かなり前向きな思考で、なんとか不安要素を取り除こうと試みる重信。そんな重信に、
「ハギ、腹減ったー」
と、アオイがいつものように催促を始める。
反射的にアオイの口にカレーマンを押し込むと、重信はついでにワシャワシャとアオイの頭をこすりつけた。ヘルメットのせいでぺったんこになって、少し汗ばんで湿った髪。
「お前はでかい」
決して身体のことを言ったのではない。大きいのは寧ろ内面の方だ。
「はあ?」
カレーマンから口を放し、呆れた顔でアオイが重信を見上げている。
と……。
「ぐへっ!」
アオイの強烈パンチが重信の鳩尾にめり込んだ。
「チビを馬鹿にすんな、このヤロー」
(ち、違……)
誤解は解けず、今日もまた重信の気持ちはアオイには伝わらないままなのであった……。
(俺は単なるアオイの友だちなんだし。第一、あの人”妹”っつった気がしたけど、”弟”の聞き違いかもしれないし)
かなり前向きな思考で、なんとか不安要素を取り除こうと試みる重信。そんな重信に、
「ハギ、腹減ったー」
と、アオイがいつものように催促を始める。
反射的にアオイの口にカレーマンを押し込むと、重信はついでにワシャワシャとアオイの頭をこすりつけた。ヘルメットのせいでぺったんこになって、少し汗ばんで湿った髪。
「お前はでかい」
決して身体のことを言ったのではない。大きいのは寧ろ内面の方だ。
「はあ?」
カレーマンから口を放し、呆れた顔でアオイが重信を見上げている。
と……。
「ぐへっ!」
アオイの強烈パンチが重信の鳩尾にめり込んだ。
「チビを馬鹿にすんな、このヤロー」
(ち、違……)
誤解は解けず、今日もまた重信の気持ちはアオイには伝わらないままなのであった……。